380号(08年4月)
葬祭サービスガイドラインができました〜
葬儀をめぐるトラブル対策はどうなっている?
 全日本葬祭業協働組合連合会(略称:全葬連)では、2007年「葬祭ガイドライン」を作成し、3月24日の消費者懇談会で、その内容について説明しました。

ガイドラインの内容

 ガイドラインでは、消費者に対して「情報開示・提供」「相談窓口の設置」「料金体系の明確化」「トラブル防止および苦情処理態勢の整備、調停機関の設置」などに「努めなければならない」とし、消費者に提供するサービス内容や料金など、必要な情報を明確かつ理解しやすく「説明しなければならない」、十分な打ち合わせを行い「見積書」を「交付しなければならず」、葬儀施行後は、見積書と請求書との内容・金額の差異について、その理由・原因等を「説明しなければならない」など23項目を定めており、この「ガイドライン」を順守すると誓約した加盟組合員(所属員)は、全葬連に備える「ガイドライン順守事業者名簿」に登録され、公表されることになっています。
 全葬連は、葬儀を専門に取り扱っている葬儀専門業者・全国56事業協働組合(所属員数1522=2005年現在)で構成されています。

トラブルの現状と取引の実態

 全葬連がこうしたガイドラインを作成するに至った背景には、近年の葬儀サービスをめぐるトラブルの増加があります。
 高齢化社会を背景に葬儀を取り扱う事業所の数も増加傾向にあり(総務省企業統計調査)、葬祭サービスは霊柩車(運送事業者)、生花事業者、火葬場事業者、その他(仕出し、返礼品)関連業界で営まれています。
  こうした業界図の中で葬儀サービスの料金は、祭壇や棺などパックやコースにして消費者に提示されることが多いものの、「葬儀一式費用」「セット料金」に含まれている内容は事業者により異なっており、統一的な基準やガイドラインがありませんでした。

取引実態

 こうした中で消費者は、将来起こるかもしれない葬儀のために、日常的に葬儀事業者について情報の収集を行い、事前に選定準備をすすめている人は少なく、葬儀事業者同士の比較などもほとんど行われていません。
 いざ葬儀事業者を選定する時は、時間的余裕のない状況下でサービスを含めて決めていることが明らかとなっています。 公正取引委員会「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」から葬祭事業をめぐるトラブルは、こうした状況の中で増加傾向にあり、全葬連に対して国民生活センターは、「増加する葬儀サービスのトラブルについて」06年に要望書を提出していました。
 この中で、(1)モデル約款やガイドライン等を整備すること(2)消費者トラブルに関する相談窓口を整備し、消費者からの相談に誠実に対応すること(3)葬儀に関する事前相談窓口を消費者に周知し、消費者が葬儀に関する知識が得られるような環境整備をすること‐‐などを指摘しています。

葬儀サービス内容と料金

 費用とサービス内容は消費者トラブルの主因ですが、そもそも葬儀サービス費用は、大きく二つに分けて会葬者などの人数に応じて金額が変わる「変動費」と「固定費」とに分かれます。
 そして葬儀事業者が設定する葬儀サービスは、ほとんど複数のサービス項目をパッケージにして提供するプランが設定されていますが、サービス項目に含まれている内容、金額は事業者ごとにさまざまです。
 前述のガイドラインの制定をきっかけにして、これからは、サービス内容に含まれる項目の明確化、費用は何によって変わってくるのか(変動費用)、その範囲と金額についてなど、わかりやすい情報提供と、消費者がふだんから気軽に相談できる環境整備に努めることが期待されます。
 私たち消費者は、今般制定されたガイドラインを適性取引実現に向けたはじめの一歩と理解しています。
 今後はガイドラインを順守する事業者の拡大と、その内容をさらに消費者の視点で見直しながら、葬祭業界全体で適正な取り引きが一層促進されることを期待しています。

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