369号(07年5月)
生保・損保の不払い問題に思う
 生命保険・損害保険各社における不払い問題がマスコミにも取り上げられています。
 4月13日、生命保険全38社が内部調査の結果を金融庁に報告。現時点で判明した支払いもれの総額は、約44万件・359億円となっており、今後もさらに増える可能性があります。
 商品の複雑化に支払い体制が追いつかなかったとの理由が挙げられています。
 とはいえ、民間保険に関しては、長年にわたって消費者団体が、その契約内容や説明不備などについて、問題を指摘し続けてきた分野です。
 また一昨年は明治安田生命保険で、意図的に保険金を支払わない「不当不払い」が行われていたという極めて悪質な事件が明らかになりました。
 不十分な説明のもと保険商品の切り替えを勧められたため、死亡時に保険が支払われなかったとして、遺族が裁判で争っているケースもあります。
 そうした背景に、判明した分だけでもこれほどの不払い件数・金額にのぼっていることを知ると、各社が本気で改善に取り組んでこなかった結果だったのではないかと考えてしまいます。
 複雑な商品のしくみ、支払い体制の未整備など、状況の改善が早期に求められます。

相談窓口はこちらです
【生命保険協会】 生命保険相談所
  Tel 03‐3286‐2648
   受付時間 9:00〜17:00
        (土・日・祝日を除く)
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【日本損害保険協会】そんがいほけん相談室
(本部)

 ・フリーダイヤル 0120‐107808
 ・携帯・PHS(有料) 03‐3255‐1306
   受付時間 9:00〜18:00
        (土・日・祝日を除く)
消費者も確認を

 現在、生保・損保各社では、契約・支払いケースごとに検証作業を行い、内部体制の見直しを行っています。
 私たち消費者も、自分がどのような保険・特約に加入しているのか、今一度チェックしましょう。
 例えば、入院給付金をもらった場合、特約にも入っていてそれが診断書の内容に合えば、他にも受け取れた給付金があるかもしれません。

国の社会保障政策と民間保険

 直接関係があるわけではありませんが、基本的なセーフティネットである、国の社会保障政策についても気になります。
 アメリカは保険大国ですが、それは国民皆保険制度がないからで、生活の最低保障を民間に任せるという社会だから、民間保険が大きく発達しているのです。ただし低所得者層では民間保険に入ることができずに、病気やケガなどのちょっとした不幸で、貧困へと転落するケースもたくさんあるそうです。
 一方で、政府の責任で社会保障制度を充実させている国もたくさんあります。
 わたしたちの国はどうでしょう? また、社会保険庁の、国民年金の支払い記録の紛失・不備の被害を自分自身がうけたとしたら、どんな思いをするでしょう。

国民の生活保障を担っているという意識を

 言うまでもなく生保・損保も、社会保障制度も国民に不可欠です。
 各保険会社と、社会保障政策の責任をもつ政府・国会議員のみなさんは、私たちの生活保障の責任を担って仕事をしているのだという、当たり前のことを、今一度認識してほしいと思います。
 私たち消費者も、保険や年金の内容についてしっかり把握するようにしましょう。

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