360号(06年8月)
消費者代表と生産者との現地意見交換会
(千葉県連合婦人会)
千葉県連合婦人会・事務局長 横山 郁子

 独立行政法人農畜産業振興機構主催の消費者と生産者との現地意見交換会が、7月7日に東京都西多摩地区で開催されました。

野菜・くだもの・花きなど

 青梅線小作駅で山本徹・農畜産業振興機構理事長や職員に迎えられ、消費者代表
12(5団体)とバスで羽村市農産物直売所を訪問しました。
消費者と生産者の意見交流会
=青梅畜産センター
  市営スポーツセンターの駐車場の一角にあり、幹線道路に面した立地条件のよい場所で、減農薬、朝どり、値を押えた野菜・くだもの・花きを直売しています。買物袋をなくして年間40万円! も節約できたと聞きました。生産者の年齢は高いが、後継者の心配はないとのことです。
 次に羽村市有機農業クラブリーダー・中野峰雄さんの「ほ場」へ。ナスやサトイモ畑には草刈り機が入ってきれいですが、トウモロコシ、枝豆、ジャガイモ畑は草を育てているよう。「ほ場には入らないでください」と念を押され、道路わきに立っていましたが、カメムシが飛んでくる。見ると枝豆の葉はカメムシの運動場、枝の下の方にはもっと隠れていました。
 平成10年、東京都有機農業推進事業に参加し3年間無農薬・有機農業を実践したが、実際には難しい。草むしりは手でやるしかなく、経費がかかり、微生物農薬を使ったが虫は防げなかった。農協出荷でなく、直売所専売で、生協にも出荷しているが、昔のように理解してくれる人ばかりではない。完全有機だが雨で肥料が流れることもある。市場出荷だと段ボールにむき出してよいが、小配で包装やシールが大変、環境を考えているのにゴミが増える‐‐とのお話に、消費者は、安全を求めるのと同時に生産者の苦労を知らなければと思いました。

トウキョウX豚

 昼食後、いよいよトウキョウX豚に合いに「青梅畜産センター」(86年の歴史がある旧東京都畜産試験場)へ。
 トウキョウXは北京黒豚、バークシャー、デュロックの異品種間の交配で、平成2年から7年間かけて、輸入豚肉と差別化した東京の特産豚肉を目指し開発されました。舌触りが滑らかで風味、味わい、脂質が良い(ロースにさしが入る)豚肉です。毛色は黒白、黒茶、茶、黒等。関東の養豚農家22軒(都内には11軒)が専用飼料で育て、独自の流通で、一定の肉質でないものはXとしないで一般肉にするそうです。
 戸外にある豚の檻へ直行すると、トウキョウXと親のデュロックがすり寄ってきます。このセンターにはだれでも出入りでき、スケッチに来る人もあるようです。だから人見知りはしないのでしょうか。デュロックは茶色で大型、Xはこころもち足の長い上品そうな豚でした。

Q&Aから

 Q.Xの由来は?
 A.未知数の可能性を意味し、3品種をクロスしたのでXに
 Q.専用飼料とはて
 A.遺伝子組み換えのないトウモロコシ、大豆の合成飼料(肉質のばらつきを避けるため魚粉は使わない)。輸入物だが工場を見学し、あらかじめ話し合っている。コンタミネーションについては、ラインは一緒だが空運転をして(水洗いまではしていないが)混ざらないようにしている。抗生物質は入っていない。
 Q.人工受精? 育てづらいか
 A.自然交配で、指定されたものを守っている。なるべく薬に頼らず、ストレスを与えないようゆとりをもって、温度、換気、湿度に配慮し、きめ細かい対応をしている。耳標の装着で生産履歴や予防注射を投与した旨、書き添えている。
 Q.飼料は国産とならないか
 A.現在は全て輸入。食品工場の残さの飼料化を目指したが、高級肉のイメージと合わなくなってしまった。
 Q.数が増えていないようだが
 A.都市の中で養豚をやり続けるのに特徴がなければと飼っているが、白豚は12、3頭生むが、Xは9から10頭。発育も7カ月で出荷と遅い(普通は六カ月)。
 BSE問題で豚肉の消費が20%増え値が上がり、普通の豚を飼ったほうが効率がよいので数は増えていない。都内の限られた店でしか扱っていない。

 
農畜産業振興機構の資料から
  最後にトウキョウXの試食。「まず三枚肉を塩だけで食べてみてください」と言われ、焼肉をいただく。臭みがなく牛肉の濃厚さと違う旨みがある。「近所から苦情はないですか」などと、肩ロースやロースを味わいながら話題が飛び交った。
 日本の畜産物自給率は67%だが、飼料の自給率23%を加味すると、カロリーベースで16%しかない(平成15年農林水産省)。生産者が努力していても、飼料を輸入に依存していては自給率は上がらない。
 飼料稲の研究も進められているが、国産飼料の開発によって農地を有効に使い、農業収入の拡大につながるよう期待したいものです。
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